旅馬の舞台裏

日本最古の隕石落下点へ

兵庫県朝来市和田山町には、「日本最古」といわれる隕石落下地点があります。

先日、子供たちと湯村温泉にある和休の会社が経営している保養所のイベントに参加した帰りの出来事です。

その日は豊岡市出石で名物の「皿そば」を食べ、自宅へ向かっているところでした。

出石から神戸へ向かう場合、県道2号線で養父市へ抜け、酷道312号線で朝来市和田山へ向かい北近畿自動車道や播但連絡道を通るのが一般的ですが、酷道大好き和休は県道10号線を通って養父市へ抜けるルートを選択しました。

山道を走り切り、麓へ降りてきたところで、ある看板を見かけました。

なんと「竹之内隕石落下之地はこっから3kmぐらい(意訳)」と書いてあります。

時間にも余裕があるし、ネタにもなるだろうということで行ってみることにしました。

田園風景の中を走ること数分。道の反対側に「竹之内隕石落下之地」の看板が現れました。

隕石の落下点ゆーたら、そらぼっこーんとへっこんだあるでぇ。隕石の落下点ですから、それはそれは大きく凹んでいることでしょう。」といって車を降り、子供たちと一緒に矢印の方へ向かいます。

しかし、矢印の方向にはどうみても一軒家と田んぼと畑しかありません。なんとなく通ってもよさそうな道があったので、とりあえずそこを通り、50m先を見てみると、

ぼっこーんとへっこんでるところは全くなく、害獣防止ネットに覆われた畑へと続く道とわずかな空き地、そしてなにやら石碑が建立されています。

石碑には、

隕石の由来

明治13年(1880)2月18日午前5時30分頃大きな火の玉が尾を引きながら南から北に向けて飛び来て一大音響とともに落下した

この光芒は兵庫大阪京都の三府県でも観測された

落下地点の字名により竹之内隕石と命名され重さは718.7グラムあった

国立科学博物館村山定男氏の調査の結果本邦に於いて落下日時場所標本が確認され化学分析等の科学的研究が行われた最初の隕石である

このことは日本の科学史上貴重な資料であるといえる

ここに落下100年を記念し現地に碑を建立して後世に伝える

題字 村尾定男博士

と彫られています。

隕石の重さは約700gだそうですが、それでも落下したときの衝撃は相当のものだったと思います。

でも「隕石落下之地」と看板が立っている割に、思っていたような景色ではなくて、少々がっかりして帰路に就いたのでした。

竹之内隕石落下之地はこちら

日本最古の隕石落下点
兵庫県朝来市和田山町竹ノ内1025